RACE DAY | July 25 2015 |
---|---|
PLACE | KUMAGAYA SPORTS CULTURE PARK |
HIGHEST TEMPERATURE | 37.1℃ |
日本の夏の暑さをニュースで伝える際、必ずと言っていいほど街の様子が伝えられるのが埼玉県熊谷市。そんな盛夏の熊谷で行われるバイク&ランイベント「‐あついぞ!熊谷‐ バーニングマン・レース」が、今年も熊谷スポーツ文化公園で開催された。
今年で4回目を迎える本イベントは、昨年の内容から新たな要素を複数追加。まずバイクコースは2.4kmから3.0kmに延長、並木道を往復するコースが追加されてより走りごたえのあるものとなった。また、バイク2時間の部にはミニベロライダーたちで競う「ミニベロCUP」、ランでは個人または2人ペアで一緒に6kmを走る「お試しBURNING MAN!」、また個人でバイクとランの両方を走る「BIKE RUN CHALLENGEの部」といった、新たな部門・種目が追加。今回も埼玉県内外の多くのアツい人々がエントリーし、この熱いレースに挑んだ。
朝6時30分の会場オープンに合わせ、続々と受付にやってくる参加者たち。そして、すぐに陸上競技場内の選手待機エリアでチームのスペースを確保し、受付の近くから次々とタープやテントが建てられていく。受付開始からしばらくすると、選手待機エリアはかなりにぎやかに。参加チームの中にはバイクラックを用意し、しっかりしたブースを築いているところも複数あった。また、ローラー台を持参し、バイクでウオーミングアップをしている選手の姿も。そんな選手に話を聞くと、「暑さのなかでのレースなので、しっかり体を温めておかないと思うように動けなくなるんですよ」と、ローラーを回しながら答えてくれた。
暑い中で走る選手たちをバックアップするサポートステーションも早々に準備完了。参加者には1人1本ずつアクエリアス500mlと高濃度酸素水「ActiveO2」が手渡され、熱中症対策をサポート。また、ウェアにスプレーするだけですぐに冷感効果のある「シャーツアイス(大洋製薬提供)」も用意され、レース開始後には熱くなった体を冷やすためにスプレーする選手も多く見られた。サポートステーションの隣では大会オリジナルのTシャツを販売。限定数のみの販売となるTシャツは毎年人気で、今年も人気のあるサイズから早々に販売完了となっていた。また、ミドリ安全のブースでは汗とともに失われる電解質を素早く補給できる「塩熱サプリ」や「塩熱飴Sports」を販売、これらの試食も行われ、レースを走り抜くためにこれらを購入する選手も。自転車グッズを販売するProject-Kのブースも、必要なアイテムを求める選手たちが集まっている。ここではオリジナルバイクも展示し、これらも関心を集めていた。
8時になると、バーニングマン・レースではおなじみとなっているMC・南隼人さんから「コースの試走ができます」とのアナウンス。そして、混雑を避けるためにいくつかのグループに分けて、コースへと選手たちが出ていく。公園内のコースはフラットなものの、道幅や路面がいろいろと変化し、180度ターンするラウンドコーナーなどテクニカルなレイアウトにもなっているため、コースをしっかり把握してレースに臨もうと周回を重ねる選手も多い。
試走終了後は、すぐにライダーズミーティングを始めるため、スタート/フィニッシュゲートの前に選手が集合。MCの南さんとサポートMCの山田りささんが進行し、レースでの注意点や熱中症への対策、ゲストの吉澤ひとみさんの紹介などと続く。コースにはサポートライダーのVAX RACINGのメンバーや、埼玉で活躍するポタガールのチームメンバーが登場、さらには埼玉のマスコット・コバトンも応援に駆け付け、レースを盛り上げる。ライダーズミーティングを終えると、ついに3時間に及ぶバイクレースがスタート。レースに臨むのは5時間の部に参加の97チーム、3時間の部に参加の139チーム、そしてソロで参加の78名。スターターの号砲に合わせて最初の1周はパレード走行で進み、一周を終えて競技場を出た後に本格的に競技が開始された。
コースは、陸上競技場を出ると右に曲がってしばらく競技場に沿って進む。そして噴水まで進み左に曲がると並木道のストレートに入る。ここはイン側とアウト側で路面が異なり、スピードを追求する選手にとってどちらの路面で走るかがポイント。そこからロータリーをぐるっと180度回り、並木道と噴水のコースを戻り、競技場の外周を走行。この競技場外周部分はスピードも出せ、幅もあって他の選手を抜きやすいところ。外周部から対面で進む狭いコースを抜けて、芝生広場を回り、再び対面コースで競技場内へ戻るところはコース幅があまりなく、スピードに乗って進むにはテクニックを要する。こうして競技場に戻ってゲートをくぐれば、1周が終了。
参加車種はロードバイクが最も多いが、ミニベロやクロスバイク、シティサイクルなどさまざま。上位入賞を目指してタイミングよく選手交代を行うチームもあれば、黙々と周回を重ねるソロの選手など、誰もが自らのペースでレースを進めていく。
レースが進むにつれて、気温も上昇していく。かなりの暑さで、選手たちは水分補給が欠かせない。走行中にボトルから水分を摂るとともに、走っていないチームメンバーはサポートステーションを利用し、熱中症にならないよう対策を行っている。また、飲食ブースの近くにはクーリングステーションが設置され、シャワーやプールの水を頭や身体からかぶり、体の熱を取る選手も見かけた。
各選手、各チームは周回を重ね、3時間近くが経過。まもなく終了というタイミングでは、より周回を重ねようと、制限時間前にゲートをくぐるためにかなりのスピードでゲートに向けて進む選手たちの姿も。そんなぎりぎりの勝負に各チームメンバーが声援を送るなか、バイク3時間の部は終了。ゲートではチェッカーフラッグが振られ、レースを終えた選手たちが続々とゲートをくぐっていく。そんな選手をチームメンバーやMC陣、ゲストの吉澤さんが迎えていた。
3時間の部を終えてから少しのインターバルを置いて、バイク2時間の部の試走がスタート。コースは3時間の部と変更なし。5時間の部に参戦しているチームや、個人で3時間の部と2時間の部に参加する選手は、この休憩時間に食事を取って次のレースに向けての英気を養う。
試走後には2時間の部のライダーズミーティングを行い、3時間の部のゴールから約45分後、スターターの吉澤ひとみさんの合図でバイク2時間の部のレースが開始。午前中に引き続き参加する5時間の部の97チームに加え、36チームとソロの136名、BIKE RUN CHALLENGEの25名、ミニベロCUPの20組が参戦し、正午を回ってかなりの暑さとなった会場を、3時間の部と同じく1周目は追い抜きなしのローリングスタートでレースが進む。この2時間の部では、新設されたミニベロCUPも行われたため、3時間の部よりもミニベロで走る選手が目立つ印象。中にはかなりタイヤ径の小さなホールディングバイクで参戦する選手もいて、MCの南隼人さんからも声援が送られていた。
暑さがピークに近い状況となったなか、バイク2時間の部のレースは続く。レース開始後、しばらくして競技場外にある飲食エリアにレッドブルのPR車が到着、レッドブル・ガールズがレッドブルのサンプルを会場の人々に配り始める。冷たいエナジードリンクは、暑さの中で走る選手や応援を続ける人々を元気づける。 また、2時間の部がスタートして40分ほど経過したころ、陸上競技場内に設けられたステージでは午前中に行われたバイク3時間の部の表彰式を開催。プレゼンターは吉澤ひとみさんとポタガールチームの選手の皆さんが務め、各部門で見事な走りをしたチームや選手の健闘を讃えた。
そんな表彰式のなかでもバイク2時間の部に参加する選手たちは走り続け、制限時間が間近に迫ると、急いでゲートを通過しようとスプリントで駆け抜ける選手たちの姿は3時間の部と同様。激しいレース展開が繰り広げられたのち、2時間の部もタイムアップ。ゲートでチェッカーフラッグが振られるなか、選手は続々とゴールゲートをくぐっていった。
前後半合わせて計5時間のバイクレースを終了後、陸上競技場のステージでは子供たちがダンスでイベントを盛り上げる。7組のダンスチームが次々と登場し、時にはかわいらしく、時には大人顔負けのアクロバティックな動きを見せ、会場の注目を集めていた。
そんなダンスの興奮が冷めやらぬ中、バイク2時間の部と5時間の部の集計が終わり、ステージにて表彰式を開催。新設のミニベロCUPを含めて、各部門を表彰。プレゼンターは吉澤ひとみさんが務め、チームや選手のがんばりに感嘆しながら賞状を授与。入賞者には、毎回表彰台に上ることを目的にレースに参加し、見事目標を達成したチームなどもあった。
バイクの部をすべて終え、会場を後にする選手たち。それと入れ替わりで、会場には3時間のリレーマラソンに参加するチームと、お試しBURNING MANに参加する選手たちがレースに向けての準備を行う。ランの参加者たちは競技場の待機エリアのほか、観戦用スタンドもチームの待機場所として利用。また、参加チームには5時間のバイクに続いて、3時間のリレーマラソンにも挑むというツワモノも。そのほか、仮装部門の表彰もあるため、個性的な姿でレースを待つチームも複数あった。
日が少し傾き始めた16時15分からランの部の開会式を実施。ピラティスのインストラクターでもあるサポートMCの山田りささんの指導による準備運動も行われ、レース前の準備は完了。そしてお試しBURNING MANのソロの部、ペアの部、そしてリレーマラソンの順で数分置きにレースがスタート。ソロの部には48名、ペアの部には6組、BIKE RUN CHALLENGEには23名、そしてリレーマラソンには247チームが出場した。
ランコースは1.5kmで、陸上競技場から出て右に曲がり、噴水をぐるっと回ってから競技場外周を半分ほど走り、また競技場へと戻る。ランでは2周目からコース途中に給水所が設けられ、ホースから水を浴びることも可能となっていた。
リレーマラソンは3時間の耐久レースだが、ソロおよびペアでのランはコースを4周して6kmを走ってゴールとなる。日が陰り、風もあったため、昼に比べたら少し快適な環境のなかで当初はレースが進む。しかし、周回を重ねると日が出て、また暑さを感じるように。そうして、まだ明るいなかでソロならびにペアの選手たちがゴールテープを切っていく。並走してコースを走るペアでは、手をつないでゴールする姿にほほえましさを感じた。
一足早くランを終えたBIKE RUN CHALLENGEの部とお試しBURNING MANは、リレーマラソンが行われている中、ステージにて表彰式が行われ、各部門の入賞者の栄誉を讃えた。
選手が周回を重ねていくにつれ、太陽は西へと徐々に沈んでいき、空は夕焼けの赤から夜空の群青色へと変化していく。日が沈むと、日中に比べて少し涼しく感じるものの、まだまだ暑さが残っている。仮装部門で参戦しているチームには、人気キャラクターのお面をかぶったり、さまざまなギミックやアイテムを身に付けたり持ったりして走り、会場の注目を集める。中には、家族の応援で来ていた子供たちの人気を集めるキャラクターの選手もいた。
走り続ける選手を応援するため、MCの南隼人さんがステージ横にあるDJブースを設けた特殊車両で、DJプレイを披露。これは今回初めての試みで、冒頭では吉澤ひとみさんもDJブースに上り、会場を盛り上げていた。
すっかり日が暮れて陸上競技場に電灯が輝く状況へと時間は経過し、3時間のリレーマラソンも終了。次々とゴールに向かってくる選手たちの顔は、走り切ったことに満足している様子。そんな姿に感化されたのか、ゲストの吉澤ひとみさんが選手と一緒に競技場のホームストレートをゴールゲートまで走る光景も見られた。
すべてのチームがゴールし、リザルトの集計を終えてからリレーマラソンの表彰式をステージにて実施。プレゼンターはゲストの吉澤ひとみさん。サンセットマラソンを走り切って結果を残したチームの面々は、皆すがすがしい表情だった。
熊谷らしい暑さだったものの、天候が崩れることなく、今年のBURNING MAN RACEはすべてのプログラムが滞りなく終了。暑さの中でのレースは決して楽ではないが、それを走り切る喜びは格別。そんなことがレースに参加した選手の笑顔からわかる。暑さの残る熊谷の夜に、アツいレースは幕を閉じた。