荒波迫る銚子の湾岸線をスピードに乗って飛ばせるコース!
日本で一番早く初日の出が見られる千葉県銚子市・犬吠埼。今回は荒波激しい関東の最東端で開催されるWizSpo!!Bicycleシリーズ2016の第3戦『犬吠埼エンデューロ』に向けてコースの解説と周辺エリアのお得な観光情報をお届けしよう。
銚子・犬吠埼エリアは22ヶ所のラン&サイクルステーションが設置されているほどサイクリストと自転車に優しい町。過去にも本大会の共催である「NPO法人銚子スポーツコミュニティー」が中心となって『銚子マリーナトライアスロン大会』や『銚子半島ハーフマラソン』など市民参加型スポーツの大会が開催されてきた。よって町全体でアクティブな空気を感じられる地域でもあるのだ。

そんな“サイクリングに適した町”で行われる本大会のコースは太平洋沿いの湾岸線、千葉県道254号線の一部を使用した全長4.6kmの公道コース。南北に伸びたストレート中心のコースレイアウトとなっており、太平洋沖から顔を出すきらびやかな太陽や犬吠崎灯台などが望める犬吠埼君ヶ浜海岸駐車場がメイン会場となる。チームメイトとバトンタッチを行うピットやエイドステーションも設置される予定だ。


会場前の公道地点からスタートすると、目前にはスタートダッシュにもってこいの約300mの直線が伸びている。さっそくスプリントを仕掛けてもいいのだが、直線後の第一カーブは若干急な左と右に折れるS字カーブ。曲がりながら下りになっているのでオーバースピードに注意しよう。続く2回目の左に曲がるカーブにも対応可能な速さで走行したい。攻略ポイントは1回目のS字カーブ、続く第2カーブがともにゆるやかなので、直線からのスピードに乗ったコーナーリングがポイント。2つのコーナーを曲がり切ると折り返しポイントに向かって再び約300mのフラットな直線となる。



折り返しポイントは180度のUターンなので大きな減速が必要だろう。
路肩を利用した折り返し地点は道幅も広くなっているので大きく旋回することも可能だ。しかし、ライバル自転車との接触に要注意。進行方向が南側に向き、次の折り返しポイントである犬吠埼灯台に向けて漕ぎ出すと、キラキラと輝く銚子の海が左手に広がる。記録やタイムを意識しないのであれば潮風を感じながらゆっくり走ってみるのもいいかもしれない。左手には姿形がアシカに似ていることから海鹿島(あしかじま)と名づけられたユニークな岩場も確認できる。
コース内で一番飛ばせるストレート&絶景ポイントがある後半


コースの中間地点にあるメイン会場を通り過ぎると松林で囲まれた防砂林の直線道が待っている。距離としては約350m。
若干の下りになっているので進行方向が南向きで犬吠埼灯台を目指している場合はこのポイントが本コース内で一番スピードを出せる場所だろう。
松林を抜けると左に大きく曲がりながら本コースで唯一の上り坂となる。5度~6度の傾斜は頂上付近で右に曲がりS字となっている。息が切れるほどきつい坂ではないが、距離としては約250mなのでどのギアを選択するかが攻略ポイントの一つ。
登坂が得意な選手には大きな見せ場となるかもしれない。上りながら犬吠埼灯台に急接近して折り返しのポイント。こちら側も180度のUターンとなる。丁字路の中心を回るポイントなので道幅も広く旋回しやすい。
折り返すと銚子の湾岸景色を一望できる絶景が広がる。ただし、上り坂の次は唯一の下り坂となるのでスピードの出しすぎに注意。松林の防砂林に入るカーブを曲がり切れる速度に抑えよう。
再びやってくるストレートが今度はゆるやかな上り坂となるので、前半に脚を使い過ぎるとこの地点でライバルたちに遅れをとる可能性も。本番当日にコンディションがよくてもスタミナ配分には十分気をつけよう。
松林を過ぎて少し行けばメイン会場となりコース1周が終了。
本コースはガチンコライダーからするとスピードが出せる分、数少ないコーナーや上り坂が明暗を分けるポイントになるだろう。どれほどの減速が自分には一番適しているのか試走タイムでしっかりと掴んでいただきたい。またサイクリストに向けて開かれた町なので観光を兼ねた事前走行も大歓迎だそうだ。太平洋湾岸の絶景を眺めながら風となって走ってみよう!


一山いけす


本大会のシンボルにもなっている犬吠埼灯台は『世界灯台100選』にも選ばれた由緒ある灯台。イギリスの技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの監督・設計のもと、国産レンガで造られた初の灯台として明治7年(1874年)11月に完成した。高さは約31.1m、光の届く距離としては約36kmとなっている。99段の螺旋階段を登ると北西側に君ヶ浜の海岸線や大会コースも一望でき、東側は果てしなく広がる太平洋を一眺めできる。霧の危険を知らせるために使用された「霧鐘」や大正11年から平成19年まで光を放ち続けた「国産第一号大型一等レンズ」などを展示した資料館なども併設されているので同地の歴史を勉強できる観光スポットとしてオススメ。 
銚子市名洗町の犬岩から旭市飯岡の刑部岬まで約10kmにわたるド迫力の断崖。高さは約60mもあり、イギリスとフランスの間にあるドーバー海峡の岸に似ていることから「東洋のドーバー」とも呼ばれている。メイン会場から自転車で10分ほどの場所にある銚子マリーナからも眺望が可能であり、断崖の麓までアプローチできる遊歩道も整備されている。隣接する名洗港海浜公園は芝生も広がっており、お弁当などを持っていけば絶景を眺めながら贅沢な時間を過ごすこともできる。ちなみに断崖の奥に見える風力発電用の巨大風車も見物だ。
メイン会場から自転車で約5分。千葉県北部の北総エリアで一番高い標高90mの場所に位置する展望館。カフェラウンジもあり、地酒の「清酒・銚子の誉」や銚子沖で獲れた魚を加工した「サバカレー缶」、銚子特産の醤油などの銘品販売も行っている。建屋屋上の展望台は360度中、330度が水平線という圧巻の景色で、銚子ポートタワーや利根川、また天気のいい日は約200km離れた富士山を見ることもできる。辺り一面がロマンチックなオレンジ色に変わる夕暮れ時が絶景タイムの一つだろう。レースの前に銚子市の全貌を確認してみてもいいかもしれない。
潮の湯温泉 犬吠埼観光ホテル


