スタジアムエンデューロ in ECOPA

RACE DAY November 29 2015
PLACE ECOPA STADIUM
TEMPERATURE 12.5℃

「WizSpo!! Bicycleシリーズ2015」ファイナル
戦いの舞台は『東海道五十三次』のど真ん中!

「WizSpo!! Bicycleシリーズ2015」の今期最終戦として『スタジアム・エンデューロin ECOPA』が11月29日(日)に静岡県袋井市の小笠山総合運動公園エコパスタジアムにて開催された。袋井市は江戸時代に整備された五街道の一つ、『東海道五十三次』の宿場の中で江戸からも京都からも数えてちょうど中間の27番目となる土地だ。東西文化の交流地点として物資や人々の往来が盛んだった地域であり、本大会も昨年までは『日本分断!! 天下分け目の東西対抗エンデューロ』と題して開催を行ってきた。初回から3年間継続してスポーツ振興くじ「toto」の助成事業の一環として開かれることに変わりはないが、今回は大会名とプログラム内容が一新された。

競技内容は「個人タイムトライアル」、「エンデューロ」、「キッズレース」の3カテゴリー。エンデューロは「4時間の部」と「2時間の部」の二部門となる。2時間の部には「ミニベロCUP」や「レースデビュークラス」も用意され、選手の嗜好やレベルによって参加方法を選べる点もユニークなところだ。ともあれ、ファイナルレースはいかなる結末が待っているのか。

851名のサイクリストが3つのカテゴリーで自転車大バトル!

会場オープンの朝7時、受付に参加選手が続々と集って来る。この時点で気温は7℃とやや肌寒さを感じた。
本大会のエントリー総数は851名、全530チーム。全国からガチンコレーサー、レディースライダー、キッズまで地元ライダーを含んだ自転車人がエコパに集合した。中にはスパイダーマンのコスチュームに身を包み、ママチャリで颯爽と登場するオモシロライダーの姿も。待機エリアのスペースを確保し、ローラー台でウォーミングアップをしていた選手は客席やピッチを見回して「エコパで走るのが長年の夢でした」と感慨深げに話してくれた。

参加者の数も増え、会場の空気も引き締まってきたところに「みなさん張り切っていきましょー!!」と本大会のMC・南隼人さん、片岡由衣さんのアナウンスが響き渡る。活気溢れる声も手伝って会場のボルテージはますます上昇しているようだった。

8時を過ぎて試走がスタート。参加者がゆっくりとコースを流し始める。

初心者からベテランまで
待ち望んでいた
「個人タイムトライアル」

陸上トラック(400m)分と外周コース分を含め1周4.8kmを舞台とした「個人タイムトライアル」に向けてライダーズミーティングが始まる。エントリー数は女性1名を加えた75名。そもそも、タイムトライアルという部門は他大会と比べてもめずらしいカテゴリーだろう。傾斜の付いた独特なスタート台に立つこと自体が初体験という選手も少なくなかった。

お手本として本大会のゲストライダーである「愛三工業レーシング」の早川朋宏選手、平塚吉光選手の2名が25秒のタイムラグを設けてスタートを切り、一般の選手も続いて出走。MCの片岡さんが選手たちに「焦らずに走りましょうね」と優しく声をかける中、このチャンスを待っていたと言わんばかりに後頭部が長く伸びた鋭いエアロ仕様のヘルメットを装着し、勢いよくスタート台から出発する選手もいた。

全体の平均タイムとしては7分30秒台といったところで、MCの南さんも選手に向けて「GO!! GO!!」や「ラストまで踏み切って!!」など熱い声援をマイクに乗せて贈る。唯一の女性ライダーに話を聞くと「超しんどかったです! でも楽しかった!」と気持ちのよさそうなスマイルで話してくれた。ちなみに本部門のベストタイムは7分19秒だった。

レースクリニック&開会式

本大会はレース初参戦という約30名の選手が「レースデビュークラス」としてエントリー。9時から行われた室内での「レースクリニック」では整備ポイントや集団走行のコツなどを「チーム・マトリックスパワータグ」の向川選手がレクチャーしてくれた。変速機周辺の歪みやブレーキアジャスターの閉め忘れなど、初心者が見落としがちな箇所を一緒に確認しあう。本番前に少しでも不安が消えたからなのか、参加者の緊張した面持ちも若干やわらいでいることが見てとれた。

開会式が10時から始まりトラック内に全参加者が自転車とともに整列する。主催者である一般社団法人ウィズスポの中島祥元さんが「1位を目指すことも大切かもしれませんが、みなさんがもっと自転車を好きになってもらうための大会です」と挨拶。盛大な拍手と歓声の中、いよいよ本大会のメインレースともいえる「エンデューロ」の幕が切って落とされた。

「エンデューロ」2時間の部&4時間の部がスタート!

「エンデューロ」2時間の部のエントリー数は283人、ソロ149人、67ペア(チーム)。同部の「ミニベロCUP」はソロ9人、2ペア。そして4時間の部のエントリー数は480人、ソロ76人、130チーム。コースは全共通となる。参加車種はロードやクロスバイクが多いが小径車やシティサイクルも目立つ。その中にはコスプレライダーなど、タイムや記録ではない部分で楽しもうとしている選手も確認できた。

10時30分、ゲストライダーを先頭にローリングスタートでレースが始まった。スタートラインとフィニッシュゲートがあるトラックを約半周し、スタジアムの外周コースに出発する。右周りに約4分の3周進むと小笠山公園内にある舗道を利用した特設コースに突入。併設する補助競技場の周囲をグルリと周り、「エコパの丘」と呼ばれる坂道を緩やかに下る。すると直線に近い約1kmのクライムゾーンに突入し、上りきると袋井市の町並みを望む高台「みはらしの丘」にたどり着く。この辺りから選手の疲労が溜まってきている様子だ。

左手には「花の郷」という桜をメインとした花畑が見えてくるのだが、残念ながら季節的に花は咲いておらず、「花の郷」の奥にある「人工芝ピッチ」を超えると折り返しのポイントとなる。後半は公園内の自然と風を感じられる下り坂だ。道幅も広くスピードを出すことができる。下りきると左に折れてエコパのトラックへ。トラック入口にあるピットインコースに進むとフィニッシュゲートをくぐってチームメイトとバトンタッチが可能となる。全長4.8kmのコースだ。

レースの他にもサイクリストに役立つお楽しみが勢ぞろい

スタジアムの外に設置された「給水エリア」やイベントステーションではスポーツドリンクの他、コーンスープも用意され体内からも体を温めようとする選手も見受けられた。サイクル関連の出展ブースはスポーツサプリメントの「ATHLETUNE」から「ENERGAIN」や「SPEEDCURE」等の会場限定お試しセットの販売などが人気だった他、「バイシクルわたなべ」のブースでは試乗コーナーを展開し「TREK」やイタリアブランドの「WILIER」などの試乗車が人を集めていた印象。同じく「AVEDIO」のブースでも完成車の試乗や展示を行いこちらも時折行列ができるほど人気だった。

台湾有数の自転車工具専門メーカーの「SUPER B」のブースでは工具販売の他にヘルメットやカギが並べられ、自転車チェーン用潤滑剤などケミカル専門メーカー「AZ」のブースではすぐに使える洗浄剤や潤滑油の販売も行われていた。

飲食エリアでは「きまぐれ屋」の「やきそば」や「たこ焼き」の他、「揚げ大判焼き」、「チョコバナナ」など選手の糖分補給にもピッタリなメニューが用意され参加選手はもちろん、同行の応援者や子どもに人気の様子だった。

大声援の中「エンデューロ」がフィニッシュ!

レースが続く11時頃にうすい雲が空を覆いだした。立ち止まっているとやはり肌寒いが走っている選手にはベストな気温だったかもしれない。今回はレースクリニックと各レース前のライダーズミーティングでしっかりアナウンスされていたのでコースの四方八方から大きな声が聞こえた。
12時になり、2時間の部がフィニッシュ。ラスト1週のフィニッシュゲート前では「ダッハッ!」と声にもならない声をあげて最後の一漕ぎをする選手もおり会場は大いに盛り上がった。

12時以降も走り続ける4時間の部。 全体の平均速度としては30km後半ぐらいが出ているようだった。チームによっては補給食を食べながらのんびり選手交代をする場面も見受けられたが、走者と次走者、補佐役の3人1組になって計測バンドの取り外しを行い、一分一秒でもタイムを短縮しようとするチームもあった。 また選手の中にはフィニッシュ5分前にピットが封鎖されるので時間前にギリギリで交代を図ろうとピットインしたもののチームメンバーを見つけられずそのままフィニッシュに向かうという少しおかしな場面もあった。

14時24分に4時間の部もフィニッシュ。ゴールラインの前にはチームメイトの大きな歓声も聞こえ選手は最後の力を振り絞ってラインをまたぐ。選手はそのまま止まらずに進み、スタジアムの外にある待機場所に集合。そして4時間の部のフィナーレはトラック一周のパレード走行で締めくくった。
「チーム・マトリックスパワータグ」の向川選手はレース終了後にこう感想を述べてくれた。「みなさん要所でのブレーキングなどレースに対しての基本的なことをきちんと守っていましたね。レーサーとして心構えができていた証拠だと思います。コースも決して簡単なレイアウトではなかったと思うし、安全意識の高さを感じたレースでした。トップ集団にいたとしても抜きまわすようなことをせず、労わりながら走っていたのが印象的でしたね」

感動的なゴールとかわいいキッズレースのスタート


エンデューロ4時間の部が終了して会場は健闘を称えあう声で溢れていた。 しかし、ここで終わらないのが「スタジアム・エンデューロin ECOPA」。 ここからは未就学生を対象としたキッズの部がスタートし「車輪の付いている乗り物ならば可」というルールの下、約20名がエントリー。トラック内の1周を舞台にした小さな戦いが始まる。 レースは愛三工業レーシングの早川選手と平塚選手の先導でスタート。 年齢や体格などの個人差があるので先頭から最後尾までバラけはしたが、中にはお父さんがコース外から併走する温かい場面も見られた。家族やチームメイトから歓声も上がりキッズたちは見事完走を遂げた。 レース後に「もう一周走りたかった!」と元気一杯に話してくれたのは4歳の女の子。「僕も外のコースを走ってみたかったな」と5歳の男の子も話してくれた。将来に期待できる頼もしいキッズたちだった。

閉会式&じゃんけん大会で感動のフィナーレ


キッズへの健闘を称える拍手が贈られる中、プログラムは表彰式へ。 各部門の1位から3位がステージに登壇し、選手はみな晴れやかな笑顔を見せた。本大会日が11月29日ということで「いいにく賞」というユニークな賞も用意され、各部門の129位(29位)が見事受賞した。 ラストのラストにゲストライダーも交えた豪華商品がもらえる「じゃんけん大会」で賑やかに「スタジアム・エンデューロin ECOPA」は幕を閉じた。 「愛三工業レーシング」の早川選手は本大会をこう振り返る。 「予想以上の人が参加してくれて、みなさんで楽しく走れたと思います。マナーもよかったし、声が枯れるくらいきちんと発声する人もいましたよね。エンデューロは淡々と長い距離を走るイメージですが自転車を楽しむということを忘れることなく、かつ安全に開催できたと思います」 ファイナルも無事に終了した「WizSpo!! Bicycleシリーズ2015」。2016年シリーズの開幕に早くも期待がかかる。

Congratulations !!!

  • 個人TT 男子

    個人TT 男子

    1位:山崎 裕平(No.67)

    2位:大東 泰弘(No.33)

    3位:藤井 壮太(No.54)

  • 個人TT 女子

    個人TT 女子

    1位:青山 繭子(No.75)

  • 2時間の部 男子・ロード ソロ

    2時間の部 男子・ロード ソロ

    1位:金子 宗平(No.2037)

    2位:大東 泰弘(No.2079)

    3位:谷島 聡(No.2124)

  • 2時間の部 女子 ソロ

    2時間の部 女子 ソロ

    1位:宮下 朋子(No.2205)

    2位:鈴木 媛子(No.2203)

    3位:山田 李恵子(No,2206)

  • 2時間の部 男子・ロード

    2時間の部 男子・ロード

    1位:自転車道 井上本家(No.2311)

    2位:レーシングライツ(No.2323)

    3位:MARUYAMA-1(No.2320)

  • 2時間の部 男子・車種自由

    2時間の部 男子・車種自由

    1位:日本ゴム銃射撃協会自転車部(No.2403)

    2位:VIVACE 掛川(No.2404)

    3位:チームはねやん(No.2402)

  • 2時間の部 男女混成・ロード

    2時間の部 男女混成・ロード

    1位:粟(繭×orion)部隊(NO.2502)

    2位:熊トレーニングメンバーズ(No.2505)

    3位:Team FITTE West(No.2510)

  • 2時間の部 男女混成・車種自由

    2時間の部 男女混成・車種自由

    1位:チーム DKN(NO.2601)

  • 2時間の部 ロード以外

    2時間の部 ロード以外

    1位:NTN磐田(NO.2701)

    2位:GALZA(No.2702)

  • 2時間の部 ミニベロCUP

    2時間の部 ミニベロCUP

    1位:中野 雅仁(NO.2807)

    2位:桑原 健輔(No.2802)

    3位:山崎 俊樹(No.2810)

  • 4時間の部 男子・ロード ソロ

    4時間の部 男子・ロード ソロ

    1位:生田目 修(NO.4049)

    2位:萩原 啓(No.4052)

    3位:中地 優喜(No.4047)

  • 4時間の部 女子 ソロ

    4時間の部 女子 ソロ

    1位:木村 真理(NO.4103)

    2位:大内 百合子(No.4101)

    3位:河野 綾音(No.4102)

  • 4時間の部 男子・ロード

    4時間の部 男子・ロード

    1位:team cool green(NO.4214)

    2位:SDL48 feat. N村(No.4272)

    3位:粟レンジャー変態部隊(No.4271)

  • 4時間の部 男子・車種自由

    4時間の部 男子・車種自由

    1位:Nitto CC チームAT(NO.4302)

    2位:plus land(No.4303)

    3位:山岳愛好家(No.4301)

  • 4時間の部 男女混成・ロード

    4時間の部 男女混成・ロード

    1位:ねこ人間(肉食系)(NO.4407)

    2位:小江戸Sotto(No.4409)

    3位:team UMEC(No.4403)

  • 4時間の部 男女混成・車種自由

    4時間の部 男女混成・車種自由

    1位:チームちゃりんこ(NO.4501)

    2位:静岡赤十字病院R.T(No.4507)

    3位:恵比須顔(No.4504)

  • 4時間の部 ロード以外

    4時間の部 ロード以外

    1位:A.E.L(NO.4601)

    2位:便器グルーヴ(No.4602)

  • オレの武勇伝選手権 優秀賞

    オレの武勇伝選手権優秀賞

    藤木 将人(NO.4242)

  • とび賞(にくの日) 個人TTの部

    とび賞 個人TTの部

    梅田 浩太(NO.007)

  • とび賞(にくの日) 2時間の部

    とび賞(にくの日) 2時間の部

    Daijiman(ダイジマン)(NO.2312)

  • とび賞(にくの日) 4時間の部

    とび賞(にくの日) 4時間の部

    焼津ペンギンクラブ(NO.4314)

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