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開催事例
2013.04.23
レイクサイドサイクルフェスタ かすみがうらエンデューロ
2012年10月、茨城県かすみがうら市で『レイクサイドサイクルフェスタ かすみがうらエンデューロ』が開催されました。今回は、同イベントの開催のきっかけ、かすみがうら市とウィズスポがどのようにイベント運営に携わったのか、イベントの効果と今後の展望などについて、かすみがうら市環境経済部観光商工課 課長 山野繁明様(写真中央)と、主任 石川将己様(同左)に詳しくうかがいました。

主催:一般社団法人ウィズスポ、かすみがうら市
後援:筑波銀行、かすみがうら市観光協会霞ヶ浦湖畔の自転車道路を活用したサイクルイベントで、周回型自転車耐久レース(エンデューロ)4時間の部、2時間の部、サイクリングの3部門。エンデューロはコース距離4.8㎞、標高差25m。サイクリングは自転車道路と霞ヶ浦大橋の往復約10㎞。メイン会場の歩崎公園では、茨城県の物産をテーマにしたフードベント『霞ヶ浦グルメフェス☆2012』も同時開催に。レース、サイクリング参加者約800名のほか、イベント参加者、観戦者ら5000名以上が来場。


▼インタビューにお答えいただいた方
かすみがうら市 環境経済部 観光商工課 課長 山野繁明氏:
『かすみがうらエンデューロ』担当課課長
 かすみがうら市 環境経済部 観光商工課 主任 石川将己氏:
同イベント企画立案、実務を担当
 



【かすみがうら市について】

人口およそ4万4千人、面積約118.8 ㎢。国内で二番目に大きな湖、霞ヶ浦(面積約37.8㎢)を有する。主な産品はレンコン、柿、梨、栗など農作物のほか、ワカサギ、シラウオなど水産品。



もくじ 
  1「霞ヶ浦湖畔の自転車道路の利活用」と「観光誘客」を両立できるイベント
  2 :ウィズスポに相談して、かすみがうら市は自転車レースイベントに適していると確認できた
  3 :かすみがうら市とウィズスポで企画を話し合い、イベント業務を分担した
  4 :初心者でも安全に自転車レースを楽しめるよう「レース参加クリニック」を実施した
  5 :自転車レースイベントの開催を検討中の方へのアドバイス



  1 :「霞ヶ浦湖畔の自転車道路の利活用」と「観光誘客」を両立できるイベント

― はじめに『レイクサイドサイクルフェスタ かすみがうらエンデューロ』について教えてください。


約740名が参戦した
エンデューロ
『レイクサイドサイクルフェスタ かすみがうらエンデューロ』(以下、『かすみがうらエンデューロ』)は、2012年10月に、茨城県かすみがうら市と一般社団法人ウィズスポが協働で開催したサイクルイベントです。

霞ヶ浦湖畔で、一周約4.8kmのエンデューロ(周回型自転車耐久レース)、霞ヶ浦大橋を渡る全長約10kmのサイクリングを行いました。 メイン会場では、『霞ヶ浦まるごとグルメフェス☆2012』が同時開催されました。霞ヶ浦沿岸の地域産食材を用いたグルメブースと、プロの自転車選手、かすみがうら市出身のタレント、歌手のステージイベントもありました。


「地域の皆様にも、イベント趣旨を快く理解していただけました。」
(山野氏)
エンデューロ、サイクリングの参加者は、北海道や愛知県など県内外から約800名、メイン会場の来場者は5000名以上でした。グルメブースは予定の2時間前にほぼ完売しました。レースコースの沿道では、大勢の地域住民の皆様が観戦、応援してくださいました。地域の皆様にも「本格的な自転車レースを初めて見た、面白かった」と喜んでいただけました。

2012年に開催された『かすみがうらエンデューロ』の成功を受け、かすみがうら市は、2013年には大会規模を拡大しての開催を決定しました。


― かすみがうら市では、なぜ『かすみがうらエンデューロ』を開催しようと考えたのですか。

かすみがうら市の二つの課題の解決につながると考えたからです。
二つの課題とは、「霞ヶ浦湖畔の自転車道路の利活用」と「観光誘客」です。


日本で二番目に大きな湖、
霞ヶ浦
かすみがうら市には、霞ヶ浦湖畔を通る、一般県道 潮来土浦自転車道線という自転車道路があります。延長工事中の自転車道路ですが、開通している部分はどんどん活用したいという考えがあり、また茨城県からも活用を勧められていました。

かすみがうら市には、日本で二番目に大きい湖、霞ヶ浦という観光資源があります。しかしながら、県外からのお客様を呼べるような、観光誘客につながるイベントは、あまりありませんでした。県外からの参加も多い『かすみがうらマラソン』はあるものの、それ以外は、市内で完結する催しが中心でした。

霞ヶ浦湖畔の自転車道路に、県外からたくさんのサイクリストが訪れているのは、前から目にしていました。この経験から、霞ヶ浦湖畔の自転車道路を活用して、県内外からお客様を呼べるイベントを作れば、かすみがうら市の二つの課題の解決につながると考えました。



  2 :ウィズスポに相談して、かすみがうら市は自転車レースイベントに適していると確認できた

― かすみがうら市で開催を考えていた自転車レースイベントについて、ウィズスポに相談したのは、いつ、どのようなきっかけでしたか。 

ひとくちにサイクルイベントといっても、ツアーを組んでのサイクリング、レクリエーションなどいろいろあります。イベント参加者に、かすみがうら市になるべく長時間滞在していただくためには、自転車耐久レースが一番いいと結論がでました。

2010年の年末から、どうすればサイクルイベントを事業として成立させられるのか、具体的な方法を模索していました。
2011年6月に「シリーズ型スポーツイベント≪Wizspo!!≫開催地募集の資料を拝見し、イベント実現の手応えを感じました。観光商工課の上司にも相談して、直接お話を聞いてみようと、ウィズスポさんに電話しました。 


― かすみがうら市とウィズスポは、どのようなミーティングをしたのですか。

初めてウィズスポさんにかすみがうら市に来ていただいたのは、2011年の夏でした。

(ウィズスポからのコメント)
「公道を交通規制して湖畔約4.8㎞の周回コースが確保できること、霞ヶ浦湖畔の自然豊かな景観など条件にも恵まれており、首都圏から60㎞という立地条件も踏まえ、十分集客ができると判断しました。
(一般社団法人ウィズスポ代表 中島祥元)

ウィズスポさんに、霞ヶ浦湖畔の自転車道路を見ていただいた上での話をお聞きして、改めて、かすみがうら市は自転車レースイベントに適していることを確認できました。



  3 :かすみがうら市とウィズスポで企画を話し合い、イベント業務を分担した

― 『かすみがうらエンデューロ』のイベント内容は、いつ、どのように決めましたか。


「ステージイベントのためのMC、プロ自転車選手の手配はウィズスポさんにお任せしました。」
(石川氏)
かすみがうら市が『かすみがうらエンデューロ』の開催を正式に決定したのは、2012年の春でした。イベント内容は、かすみがうら市とウィズスポさんとで、話し合いながら決めました。

かすみがうら市には「霞ヶ浦という観光資源を生かしたイベントにしたい」「レース愛好者だけでなく、初心者でも参加できるサイクルイベントにしたい」という要望がありました。ウィズスポさんのスポーツイベント開催経験と自転車レースの専門知識のお陰で、かすみがうら市にとっても霞ヶ浦周辺地域にとっても有用な企画を立てることができました。

茨城県地域計画課からの投げ掛けで、メイン会場の歩崎公園で『霞ヶ浦まるごとグルメフェア☆2012』を同時開催することになりました。『霞ヶ浦まるごとグルメフェス』は、茨城県と霞ヶ浦沿岸12市町村などで構成する霞ヶ浦環境創造事業推進協議会が主催する、地元食材を用いたフードイベントです。自転車イベントとのタイアップによって地域性をさらにアピールできたと実感しました。


― 『かすみがうらエンデューロ』の開催形態について教えてください。 

シリーズ型スポーツイベント《Wizspo!!》の一つ「周回型ロードレース」を、かすみがうら市に誘致する形態です。かすみがうら市の主催事業を、ウィズスポさんに業務委託しての開催ではありません。


― なぜ業務委託にしなかったのですか。 

業務委託によって、かすみがうら市のイベント運営に対する関わりが薄くなるのを避けるためです。また業務委託では初期投資が大きくなってしまい、イベント収支の経済的リスクも発生します。予算を通すためにも、業務委託は避けました。


― イベントの開催準備と当日の運営は、どのように行いましたか。

かすみがうら市とウィズスポさんで、業務分担について取り決めを交わし、互いに連携を取りながら準備と当日の運営を行いました。


― まず、エンデューロに関する業務分担について教えてください。 

かすみがうら市は、エンデューロのレースコース沿線地域への対応、警察協議、会場設備の手配など、地域に根ざした分野の仕事をさせていただきました。

自転車レースイベントの専門知識があるウィズスポさんに、イベント運営の全般をお任せしました。レース運営についての安全マニュアル作成や、かすみがうら市で手配する市で手配するボランティアイベントスタッフの指示も積極的にサポートしていただきました。事務局業務、『かすみがうらエンデューロ』公式WEBサイト制作・運営のほか、メディアをはじめとする県外への広報も担当していただきました。




『かすみがうらエンデューロ』当日のスケジュール

― 併設イベントは、どのように業務分担しましたか。

メイン会場の警備と会場設営も、市が担当しました。
会場レイアウト、イベントスケジュールの管理などはウィズスポさんに担当していただきました。

レースの進捗にあわせて、レース実況とかぶらないようにパフォーマンスやMCを調整していただきました。
ウィズスポさんには、茨城県のグルメフェス担当課の打合せにも積極的に対応してもらい、イベント全体を熱心にコーディネートしていただきました。 


  4 :初心者でも安全に自転車レースを楽しめるよう「レース参加クリニック」を実施した

― エンデューロ参戦者への安全指導についてうかがいます。「レース参加クリニック」とは、どのようなものですか。



経験不足が心配な方にも気軽にエントリーしていただくために設けた、安全指導教室です。
「レース参加クリニック」では、ウィズスポさんから、レース初心者の方に、自転車レースのルールやレースマナーを指導していただきました。

おかげさまで『かすみがうらエンデューロ』ではレース中に大きな事故もなく、自転車レース初心者の方でも、安全に楽しく、本格的な自転車レースを体験していただけました。


  5 :自転車レースイベントの開催を検討中の方へのアドバイス

― 市職員としての通常業務のかたわら、新規に自転車レースイベントを立ち上げるのは、大変だったと思うのですが…。 


「当たって砕けろの精神で
取り組みました。」(石川氏)
「想定外の苦労」というのは、なかったですね。
新規に事業を立ち上げるのは、どんなことにせよ大変だと思っていました。困ったときはウィズスポさんに相談しながら、その都度解決できました。課内の仲間も「すばらしい企画だ、ぜひ実現させよう」と、労を惜しまず協力してくれました。スタッフとしてレース運営に携わった職員は、休日返上の業務だったにもかかわらず「自転車レースを間近で観戦できてよかった。いいものを見せてくれて、ありがとう」と言ってくれました。
 

― 自転車レースイベントの開催を検討中の皆様に、アドバイスをお願いします。 

「まずは動くこと」だと思います。動く前に、イベント開催のリスクなど深く考えすぎてしまうと、立ち往生してしまいます。それから「相談のタイミング」も大切ですね。なるべく早い段階で、自転車レースイベントの専門知識のある人に相談してください。
動いて、壁にぶつかって、解決方法が見つかって…これを繰り返すうちに、きっと道が開けます。


― 最後に、ウィズスポへのメッセージをどうぞ。 

『レイクサイドサイクルフェスタ かすみがうらエンデューロ』は、かすみがうら市発行のパンフレットにも掲載され、新しい「かすみがうら市の顔」になりつつあります。
2013年大会では、さらに観光PRを強化して、ご家族連れから自転車レース愛好者まで幅広くお楽しみいただけるイベント作りをめざします。
ウィズスポのスタッフさんはみんな熱心で、これからもぜひ一緒にやらせていただきたく思っています。今後とも、よろしくお願いします。 

山野様、石川様、本日はお忙しい中、
貴重なお話をありがとうございました。

※ 『かすみがうらエンデューロ』の公式WEBサイト
※ 取材日時 2013年3月
※ 取材制作:カスタマワイズ
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